個と個(コトコ)の想いをつなぐコンテンツをつくります。
コンテンツはコンテンツから生まれる、
コンテンツtoコンテンツという意味も込めました。
90%以上は脳卒中(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞)が原因です。脳の左側にある言語中枢が傷つくと、後遺症として言葉を理解したり表現することが難しくなります。
言葉の「意味」と「音」と「文字」のつながりが混乱した状態なので、こんなことが起こります。
・相手が何を言っているのか音は聴こえても理解できない。
・話せない。言葉が浮かばない。関係のないことを話してしまう。
・文字を読めない。音読しても理解できない。
・文字が書けない。特に音を表す、ひらがな、カタカナが書けない。
・計算ができない。地図やカレンダーが理解できない。
症状は千差万別で同じ症状の人はまずいません。ただ、頭の中には言葉も意味も残っています。また思考、判断、人格など、言葉に関すること以外は衰えていません。驚いたり戸惑うことなく、適切なリハビリを始めましょう。
症状を診断しリハビリの計画を立ててくれるのが言語聴覚士(ST)です。医師、看護師、理学療法士、作業療法士、ケースワーカーらチームを組んで取り組んでくれます。
【急性期(発症〜3週間)】の目標は「コミュニケーションをとること」です。発話ができなくても、「こんにちは」と言われて微笑んだり、絵を差して欲しいものを告げられれば、徐々に安心できます。脳に障害を受けているのでリハビリも最初はすぐに疲れる負担の大きい作業です。
【回復期(〜3か月)】は、症状に合わせて、聴く、話す、読む、書く、得意なところから言葉の「意味」と「音」と「文字」のつながりを取り戻します。頭の中にあるイメージと言葉をつなげる→正しく音を並べる→口や喉を動かし発話する→文字や音から意味を汲み取る→言葉がイメージになる、この繰り返しでリハビリを進めます。
【生活期(それ以降)】に入っても失語症はまだまだ良くなります。言語聴覚士によるリハビリとは別に、生活のなかで言葉を取り戻していくために家族の理解と協力がとても大切です。ひとり暮らしの人も会話の機会をつくりましょう。決して焦らず、あきらめず、少しずつ取り組みましょう。失語症は年単位で良くなります。
※急性期、回復期、生活期の定義は諸説あります
※参考文献/『失語症のすべてがわかる本』ほか
家族は本人以上に戸惑い早く回復させようとしがちですが、一番大切なことは失語症を理解し、本人が今までどおり安心してリラックスして過ごせる雰囲気をつくることです。
言語聴覚士と相談しながら、失語症の回復程度に合わせたコミュニケーションをとりましょう。
言葉以外のコミュニケーション(身ぶり、表情、絵、漢字など)も大事です。本人をよく見て言いたいことを読み取ってください。よく使う言葉の絵を描いた会話ノートをつくると便利かもしれません。
話しかけるときは、本人の目を見て、ゆっくり、はっきり、端的に伝えます。話を聴くときは、先回りしたり、さえぎったりせずに、黙って、ゆっくり待ちます。できるだけ待って、それでも助け舟を出すときは、「○○? それとも△△?」と質問をして言葉を引き出します。
追い詰めないように、また諦めることなく、できるだけ自然に、おしゃべりの機会をより多く設けましょう。
家族がやってはいけないこと(でもやりがちなこと)は、こんなことです。
・子供扱いする(話せなくても頭はしっかりしています。自尊心が傷つきます)
・できないことを責める(本人が落ち込みます。落ち込むと回復が遅れます)
・五十音表を練習させる(言葉自体が出てこないので五十音表は意味がありません)
・クイズ(「これ、なんだ?」とものの名前を言わせるのは苦痛なだけです)
・ヒント(「アで始まる食べ物だよ」などというヒントも意味がありません)
・叱咤激励(「もっと頑張れ」「まだまだだね」などはNGワード)
・目標設定(「来月までに〜」「ここまでできるように」など追い詰めないように)
・大声で話す(聴力が衰えているわけではありません。うるさいだけです)
・漠然とした質問(「どう思う?」ではなく最初は「はい」「いいえ」で答えられる具体的な質問を)
・焦る(早く良くしようと焦るのは逆効果です、意識して長い目で見るようにしましょう)
・あきらめる(当然ですが、話してもわからないとあきらめてしまうことが一番よくないです)
失語症の本を探すと、ほとんどが医療関係者向けの専門書で難解で、失語症のかたや家族がいますぐ必要な情報にについては圧倒的に少なく、リハビリやケア体制も整っていません。失語症のかたや家族に“本当に”役立つ本と連絡先を紹介します。
『脳卒中当事者と家族のためのお役立ちガイド』(林武利)脳卒中のかたにまず手にとってほしいガイドです。医療連携体制、相談窓口、公的サービスなど必要な情報が網羅されています。
『失語症のすべてがわかる本』(講談社)1冊だけ選ぶとしたら間違いなくこの本です。失語症について、ひととおりの心構えが、イラストと図解で、わかりやすく解説されています。
『失語症からの言葉ノート』(コトコ)急性期から生活期まで失語症の症状にあわせていろいろな使い方ができるよう工夫されたノート。今までありそうでなかったトレーニング本です。
NPO法人 日本失語症協議会
旧全国失語症友の会連合会です。全国にある「失語症友の会」を紹介してくれたり、失語症に関する相談に乗ってくれる心強い味方です。
TEL03-5335-9756 ✉️office@japc.info
(株)言語生活サポートセンター
障害者総合支援法の認可を受けた自立訓練(機能訓練)
東京都杉並区荻窪5-20-17 Mパラッツォ4階 TEL03-5335-9757
※こちらの項目の情報は随時追加予定です